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文書作成日:2024/12/12
介護分野における今後の改革の方向性/財政制度分科会

 今回は、11月13日に開催された財務省の財政制度分科会による提言のうち、介護分野における内容に注目します。

 この提言は、「令和7年度予算の編成等に関する建議」、いわゆる「秋の建議」として11月29日に提出されています。

 これまでの取り組みと、今後の改革の主な方向性をまとめたのが、下図になります。

[出典]財務省資料

 主な提言は、次のとおりです。

提言:訪問介護事業は、引き続き処遇改善加算の確実な取得を促進

 2024年度改定による基本報酬がマイナス改定となり、昨今の経営環境の厳しさから倒産件数も増加している訪問介護事業については、同改定で他のサービス事業よりも高い処遇改善加算率を措置したことから、「引き続き処遇改善加算の確実な取得を促しつつ、人手不足に対しては現場のニーズ等を踏まえた人材確保策を推進すべき」としています。

提言:特養等における人員配置基準の更なる柔軟化

 2024年度改定では、特定施設(介護付き有料老人ホーム等)における人員配置基準の特例的な柔軟化や、介護老人保健施設における夜間の人員配置基準の柔軟化が行われました。これに加え、ITC機器の導入・活用を引き続き推進し、経営の協働化・大規模化を早急に進めるべきとし、あわせて、特養等における人員配置基準の更なる柔軟化に引き続き取り組むべきと指摘しています。

提言:多床室の室料負担の見直し

 2024年度改定では、一部の老健施設や介護医療院の多床室について、新たな室料負担が導入されましたが、更なる見直しが必要としています。居宅と施設の公平性を確保し、どの施設であっても公平な居住費(室料+光熱水費)を求めていく観点から、残りの老健・介護医療院についても、多床室の室料相当額を基本サービス費等から除外する見直しを行うべきと提言されました。

提言:サ高住における居宅療養管理料の適正化

 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)等については、同一の建物に居住する高齢者に対して特定の事業者が集中的にサービスを提供している場合に、画一的なケアプランや過剰なサービス等、いわゆる「囲い込み」の問題が指摘されています。これを踏まえ、自治体による適切な運営指導が行われるよう、制度運営やあり方についての検討の必要性が指摘されました。

 上記の他にも、人材紹介会社の規制強化や、ケアマネジメントの利用者負担の導入等、多くの提言が含まれています。同分科会資料は、以下のサイトでご確認ください。

[参考]
 財務省「財政制度分科会(2024年11月13日開催)
 財務省「令和7年度予算の編成等に関する建議

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